聖如意輪観世音菩薩縁起

准秩父三十四願所 三河国第二十三番札所

聖如意輪観世音菩薩縁起
聖如意輪観世音菩薩縁起

聖如意輪観世音菩薩は、聖徳太子の御本地佛で、御鞘佛は六臂の如意輪なるが、御腹内に納め奉るは、金銅、二臂の如意輪観世音菩薩にて、往昔、聖徳太子、金銅を以て自鋳したもう所の尊像なり。太子此の尊像を常に深く崇敬したまう。ある時、秦川勝と言う者に御附属ありしが、川勝又此の尊像を深く信仰したまう。その後幾百年の星霜を経て、縁在りて、当山開基教然良頓大和尚、此の尊像を京の都より持参し、故郷三河国に下りて有縁の者を済度せんと、此の霊跡に来たりたまいて、廃りたる天台宗の道場を中興し、宗旨を改め浄土宗と成したまう。折から元より、此の地に太子御直作の十六歳の尊像在りければ、その縁に上人歓喜浅からず。則ち、此の観世音菩薩を、太子の御本地佛と崇敬したまう。その後、此の観世音菩薩により、有縁の者、種々の霊験を蒙りたまうこと数限りなし。

御詠歌に曰く 当国第二十三番 浄珠院

あふぎみよ こころのやみを てらすてふ
ほとけのみての たまのひかりを